芸術の概念

+[ロマン派]ロマン主義と日本の美意識

イギリス・ロマン派の詩人キーツは、「美しいものは永遠の喜び」と歌った。「美しいもの」に接して喜びをかんじるというのは誰にとっても身に覚えのあることであり、ごく自然の感情であろう。だが何が「美しい」かということは、必ずしも万人にとって同じで…

日本人の美意識

「きわめて鋭敏な美的感覚の持ち主であった清少納言は、『枕草子』のなかで、「なにもなにもちひさきものはみなうつくし」と断定して、その例といて、ようやく這い出したばかりの赤ん坊や雀の子、あるいはお雛様の道具などを挙げている。また、理想的な美し…

新古典主義

新古典主義の理想家であったかとるメール・ド・カンシーは「芸術と科学と同じように扱う」ことを説いた。美を合理的原理から考えようとしたのである。この伝統はルネッサンス以来西欧において支配的だったものであり、さらにさかのぼれば、ルネサンスが手本…

形態を見る二つの眼

「画家は、自然像とはまったく別様に描かねばならず、まったく別の関係から形態を形成うることが必要なのだ。彼は、可視的なるものを経験して、自らの内部で消化し、自らの内部へ沈殿させてしまっている。可視的な世界は、単に可視性ということに、尽きる。…

美とほんとうの自分

「美というのは、いろいろの世界で、本当の自分、あるべき自分、深い深い世界に隠れている自分に、めぐり逢うことだということを考えてきた。」 引用:美学入門 中井正一著 中公文庫

内的真実から美へ

「ともかく私たちはこの世に生を受け、終わりのあるそれをれの人生の只中を、今、命ある限り、自分らしく生き抜こうとして、様々な形で、自然と触れ合い、他者と交わり、仕事に精を出し、多様な営みを繰り広げて、生きている。(中略)過ぎ行く時の中で、僅…

抽象の誕生 カンディンスキー

「東洋的ともいうべき、ロシア人固有の神秘的な精神は、過去において、美術を目に見えるものの再現とは決して考えなかった。つまり、その芸術的表現は、抽象化された二次元的空間、すなわち平面上に、抽象的な形をとるか(イコーンか民芸品の装飾模様など)…

禅宗的価値観との共通

自分の体験と自分の内面を土台にすることを第一に考えて制作を続けてきた結果、気が付いたら禅宗的価値観に近づいていることに気が付いた。特定の師を認めず。体験的・直観的把握を大切にし。世界観を一枚の絵で一瞬で伝える。見る人の自由にゆだねる・・・…

直観の結果を美術の立場から

「美術は、眼に見えるものを再現するのではなく、 眼に見えるようにする」 形態は、芸術的人間のうちに、 反響する相対物として生まれる。 形態は、事物を前にしての感動と、 形成する自然の創造方法への 深い洞察とから、 美術を通して観照可能なものに 転…

日本人の美意識:「きわめて鋭敏な美的感覚の持ち主であった清少納言は、『枕草子』のなかで、「なにもなにもちひさきものはみなうつくし」と断定して、その例といて、ようやく這い出したばかりの赤ん坊や雀の子、あるいはお雛様の道具などを挙げている。*…