新古典主義
新古典主義の理想家であったかとるメール・ド・カンシーは
「芸術と科学と同じように扱う」ことを説いた。
美を合理的原理から考えようとしたのである。
この伝統はルネッサンス以来西欧において支配的だったものであり、
さらにさかのぼれば、ルネサンスが手本とした古代ギリシアにまでたどり着く。
事実、ギリシア人たちは、人間の身体の美しさを数学的比例関係によって基礎づけようとした。
七頭身とか八頭身といったような今日でも使われる美の基準の考え方は、古代ギリシアに発する。
人体比例のみにかぎらず、さらに広くシンメトリーや黄金比といった原理が
身の基礎であるというのが「理想の美」の理論である。
したがって、美は数学の真理と同じく、万人にとって共通のものということになるであろう。
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引用:「日本の美を語る」 高階秀爾編著