形態を見る二つの眼

「画家は、自然像とはまったく別様に描かねばならず、

まったく別の関係から形態を形成うることが必要なのだ。

彼は、可視的なるものを経験して、自らの内部で消化し、

自らの内部へ沈殿させてしまっている。

可視的な世界は、単に可視性ということに、尽きる。

画かは、さらに絵を目指して歩を進めねばならぬ。

彼は、内面的現実を可視的なるものへと高めるために、

現実性を踏み越え、現実性を溶かしてしまうのである」

印欧:「パウル・クレー」 W・ハフトマン著