禅宗的価値観との共通

自分の体験と自分の内面を土台にすることを

第一に考えて制作を続けてきた結果、

気が付いたら禅宗的価値観に近づいていることに

気が付いた。

特定の師を認めず。

体験的・直観的把握を大切にし。

世界観を一枚の絵で一瞬で伝える。

見る人の自由にゆだねる・・・・。


禅宗はほかの仏教の宗派とは異なり、経典に絶対の権威を認めず、

体験的・直観的に真理の把握を目指す一派である。茶道や書道、造園術など、

日本独自の文化を数多く生み出すきっかけとなった。

寒山拾得図」「十牛図」言葉をこえた禅の教えをつたえようとする。

それによって世界を一瞬のうちに認識できると考えた。

自由に解釈できる余地が残された作品を鑑賞者が自分なりに理解し、

そこに込められた意図をくみとることによって、はじめてさとりへのみちが開かれるからである。

禅宗の芸術作品においては、その中に「命」にのみ価値がある。そのため作品は絶えず不完全でありつづけ、終わりがないもの。」

引用:「日本の歴史」 ネリ・ドゥレ著