「東洋的ともいうべき、ロシア人固有の神秘的な精神は、
過去において、美術を目に見えるものの再現とは
決して考えなかった。
つまり、その芸術的表現は、
抽象化された二次元的空間、
すなわち平面上に、
抽象的な形をとるか(イコーンか民芸品の装飾模様など)、
もしくは抽象的な手段によって、神秘的な雰囲気を作り出す
(教会の内部や農家の室内などにこの例がみられる)
という方法をとったのである。」
引用:抽象芸術論「芸術における精神的なもの」 カンディンスキー著作集 西田秀穂訳 美術出版社
ロシアもアジアの文化の特質をもっていることを考えると、
カンディンスキーが
なぜ抽象画を追及したのか、
ひとつの手掛かりとなる。